しが国語教室

科学に裏打ちされた、国語の勉強法

第一章 年齢別学習法

どうしてサボっちゃうの? その11

夏休みが終わるまでに宿題をやればいいと思っていると、新学期が始まる直前にあわてて始めることになります。いつでもできると思ってしまうからですね。 何かを実行するコツは日時と場所と具体的な行動を決めてしまうことです。 例えば、子どもに対するとき…

どうしてサボっちゃうの? その10

誘惑に負けないために、ルールを決めるというやり方もあります。 例えば、帰ってきたら30分だけ宿題をしてから遊ぶとか、起きたら計算問題を5問だけ解くなどと決めます。 つまり、個人的にルールを決めたり習慣づけたりすることによって、ある状況になっ…

どうしてサボっちゃうの? その9

マラソンのコツに、あの電柱までがんばろうというのがあります。あと何キロあると思うとくじけそうになるけれど、電柱までならがんばれる。それを繰り返すのです。 これは「目標をより具体的で低次なレベルで解釈する方略」(※1)の一種です。 何十キロとい…

どうしてサボっちゃうの? その8

「このゲームをしても、何か自分のためになるわけではない」とか、「後で宿題などをする時間がなくなってしまう」などと、「誘惑(遊び)の価値を低く再評価する方略」(※1)も有効です。 私自身のケースで言えば、麻雀というゲームの複雑さが好きになった…

どうしてサボっちゃうの? その7

「勉強しようとしているのに、あるいは勉強する必要があるとわかっているのについ遊んでしまうということは、自分の心が弱いからだ」とか、「誘惑に負けてしまうということは、人間よりも動物に近くなっている」などというように、『誘惑をより抽象的で高次…

ちょうどいいレベルの問題を!

あまりに難しい問題に当たるとやる気を失うことがあります。 塾に通っているのに国語ができないと言われるお子様の何割かは、塾の問題が難しすぎて苦手意識を持っています。受験するにしても、発達段階にふさわしい問題というものがあります。そのあたりの配…

習い事と能力

能力・知能には様々なものがあります(MI)(※1)。 下の表は、主な習い事と能力の関係です。タテ枠が主な習い事、ヨコ枠がその習い事で活かせる能力・知能です(◎は「とてもよく活かせる」、○は「よく活かせる」)。 まず子どもが様々な学習材料や活動に…

どうしてサボっちゃうの? その5

今回は小学校高学年以上向けです。 まず目標を立てます。 志望校合格という目標であれば、なぜ志望校に合格したいのかという、目標の意味や重要性を考えることで、サボりたいとかゲームをしたい、遊びたいとかいう誘惑に勝ちやすくなります。これを「目標意…

どうしてサボっちゃうの? その6

「誘惑」(遊び等)に負けずに「目標」(勉強等)にとりくむための方法、その6は、「誘惑について考えない」です。この方法は、どのような目標であっても効果があります(※1)。 当たり前ですが、ゲームが好きなら、ゲームのことを考えると、ゲームがした…

学習の個性化 MIとは?

英才教育と呼ばれたりする早期の幼児教育には、別に述べた(※1)ように無理や無駄がつきまといます。 しかし、子どものレベルに応じて早く学習を始めたり進度を速くしたりする方が適切な場合もあります(※2)。 では、その「適切な場合」をどのようにして…

どうしてサボっちゃうの? その4

孟母三遷という言葉を学校で聞かされた覚えがあります。孟子が子どものころ、家が墓場のそばにあったので、孟子は葬式のまねばかりしていた。商店のそばに引っ越すと今度は商売のまねばかりして遊ぶ。そこで母親は、学校のそばに引っ越した。すると、孟子は…

親の関わり

「才能の見分け方(※1)」で、親の判断が結構信頼できると書きました。 その他、親の子どもに対する関わりで、大切だとわかっていることは、「人的資源」、「物的資源」、「相互交渉」などの環境が整えられていることが、早期教育だけでなく、子どもの発達…

どうしてサボっちゃうの? その3

その3は、「目標実行方略」です。 勉強しない子に対して、昔から「とにかくまず机に座らせなさい」とよく言われます。 これもこの方略の一つで、とにかく目標に向けて行動を始めるなど、行動面で目標に接近する(勉強で言えば、四の五の言わずにとにかく勉…

どうしてサボっちゃうの? その2

その1は、「誘惑に対して物理的な距離を取る方略」(2021-11-18)でした。 その2は、「気分転換方略」です。 音楽を聴く、散歩をするなど、他のことをしてから勉強に取り組むと効果があります。 ありふれた方法ですが、どのような種類の勉強をする時にも効果…

どうしてサボっちゃうの? その1

勉強せずについ遊んでしまう。そうならないためにはどうすればよいか。 2021年の心理学研究結果を参考にしながら、「誘惑」(遊び等)に負けずに「目標」(勉強等)にとりくむための方法をいくつか紹介します。個人差もありますので、本人に合っていそうな方…

なぜ子どもは「それ」の指すものがわからないのか?―理由と対策―その1

「『それ』は何を指していますか?」という問題がよくありますが、子どもは結構苦手です。なんとなくこういうことだとはわかっていても、うまく名詞で答えられないことがしばしばあります。しかし、これは、どちらかというと、問題の方が不適切なのです。 か…

ほめ方のコツ

① 「教えてもらうと、できたね」のように、「教え手」(先生、保護者)のせいにする。 ② 「あなたは(元々)よくできるから」のように、「能力」のせいにする。 ③ 「やりやすいから、できるね」のように「課題(問題)」のおかげだとする。 ④ 「ラッキー!」…

復習なし、テストだけで覚えられる!

漢字を覚えた後、復習の機会なしにテストを3回くり返したら、成績は上がるでしょうか? それとも下がるでしょうか? 下がると予測する人がまだ多いようです。(大学生にアンケートしたところ、2006年はほぼ全員が「下がる」と答え、2014年は70%の人が「下…

才能の見分け方

将棋の糸谷哲郎八段は、大阪大学大学院で哲学を研究しながら、26歳のときに将棋界の最高峰とされる「竜王」のタイトルを取った人ですが、1、2歳の頃に大人ことばで親と話し、ご両親は「この子は頭のできがちがう」と思ったそうです。 このように、才能が…