「早期教育の効果には、心理学や脳科学の根拠がある」とか、「大脳の各領域の異なる働きが解明されている」などという宣伝もあります。
もちろん、例えば「楽しい時には脳のこの辺りが活発になっている」というように、ある気持ちになった時に脳のどの領域が活動しているかということは、脳画像技術の進歩によって、わかるようになっています。しかし、その時の脳のメカニズム(しくみや動きや働き)はまだ不明なのです。
また、「右脳と左脳の使い分け」のようなことも言われますが、その分業も単純に説明できるわけではありません。
脳の各場所にそれぞれの働きがあるとしても、脳のある場所を刺激して(脳のある場所を使うトレーニングをして)、その場所が鍛えられるという証拠はない(※1)のです。
市販されている脳トレ本なども、根拠のあるものはないと考えた方がよさそうです。
※1 松村2008