しが国語教室

科学に裏打ちされた、国語の勉強法

幼児のうちに教えないと遅すぎるって本当?

幼児教室の宣伝文句には、「心理学や脳科学によれば、学習は早く始めるほどよい。脳の柔らかいうちに経験しないと、後では取り返しが付かない」などというのがあります。

これは本当でしょうか?

端的に言ってウソです。

その時期を過ぎれば取り返しがつかないという、時期を「臨界期」と呼びますが、人間に明確な「臨界期」はありません(※)。

例えば、母国語(日本であれば日本語)は、生まれてから数年間で習得されます。しかし早ければ早いほどよいというものではありません。生後数年のあるときに子どもが急に話すようになったという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

また、英語で早期教育が言われますが、早期に学習した子どもが成長してすぐれた英語技能を持つという効果も実証されていません。

(以上 松村2008;坂井2009)

親のあせりにつけこんだ宣伝文句です。

 


絶対音感などの特殊な能力には「臨界期」があります。

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瀬戸内海 下蒲刈島 松濤園裏