その3は、「目標実行方略」です。
勉強しない子に対して、昔から「とにかくまず机に座らせなさい」とよく言われます。
これもこの方略の一つで、とにかく目標に向けて行動を始めるなど、行動面で目標に接近する(勉強で言えば、四の五の言わずにとにかく勉強を始める)という方略です。
私はこの方略の愛用者で、家でのデスクワークが多い仕事ですが、仕事をしたくないなと思い始める前に(時には起きたらすぐに)とにかくやり始めるようにしています。始めてみれば意外とすらすら進むものです。
この方略により、「誘惑優先行動(マンガを読むとかゲームをするなど)」が押さえられることが確かめられています(※1)。
注意点は、難しい勉強には効果がある(上記のような誘惑に勝ちやすい)が、易しい勉強には効果がない(誘惑に負けやすい)(※2)ことです。
だから、意外に思われるかもしれませんが、本人が難しいと思っている勉強ほどこの方略が向いています。
その理由については、「困難度の高い目標の方が多くの努力を引き出すので、作業に没頭しやすい」と考えられています(※3)
これは、自分の経験でも納得できることで、振り返ってみると大変な仕事のときほどこの方略を使っていることに思い当たります。
※1,※2,※3 湯, 外山, 三和, 長峰, 海沼, 相川,2021