今回は小学校高学年以上向けです。
まず目標を立てます。
志望校合格という目標であれば、なぜ志望校に合格したいのかという、目標の意味や重要性を考えることで、サボりたいとかゲームをしたい、遊びたいとかいう誘惑に勝ちやすくなります。これを「目標意味確認方略」(※1)と言います。
例えば、志望校に合格することによって自分の望む職業に就きやすくなるなどというのはよく聞きますね。受験に限らず、どのような目標でも、その意味と重要性を考えることによって誘惑を避けやすくなります。
注意点が二つあります。一つは、目標達成が難しいと考えていると効果がないことです。最初から自分にできるはずがないと考えている場合には効果がありません。逆に、やればできるのではないかとか、自分ならできるだろうと思っている場合は効果があります。
二つ目は、目標の重要度を高く意識しているほど誘惑に勝ちやすくなりますが、逆に、目標がそれほど重要だと思っていなければ効果がないことです。
例えば、志望校に合格してかわいい制服を着たいという程度であれば、効果はあまりないと思います。
このように、目標の「重要度」を高く、「困難度」を低く意識していると「目標意味確認方略」は効果的になり、逆だと効果がありません。
理由としては、目標の重要度が高い場合は、目標の意味を確認することによって目標のポジティブな価値が意識されるので、誘惑に勝ちやすく、逆に目標があまり重要でないと思っていると、目標のポジティブな価値を見いだせないので、「目標意味確認方略」の効果がないと考えられています(※2)。
以上はごく当たりまえのこととも言えますが、心理学上の裏付けがありますので書いておきました。
※1 Myrseth & Fishbach(2009)
※2 湯,外山,三和,長峯,海沼,相川(2021)